シゲ&水野幼馴染パラレル(マサツバ)
白い首筋に顔を埋めていた柾輝は、ふいに鳴り始めたバイブ音にかすかに眉をしかめた。
「おい、どけろ」
自分ならそのまま放っておくメール受信の知らせに、余程のことが無い限りすぐに確認しないと気が済まないという恋人が、案の定肩を押しやってくる。
「ほっときゃいーのに」
軽く嘆息しながらも言われた通りに身体を離し、彼が枕元に転がした携帯に手を伸ばすのを見やる。
自分の携帯は恐らく脱ぎ捨てたズボンのポケットだということを考えると、それだけで彼と自分の余裕の差を感じる。
暗い室内で携帯のディスプレイに灯った明かりに浮き上がる年上の恋人の顔を見ながら、柾輝はごろりと隣に腹這いになって彼の操作が終わるのを待つ。
さながら従順な犬の様だと自覚しつつ、恋人の瞳が楽しそうに瞬いたのを見た。
「見ろよ、これ」
普段は絶対に他人からのメール内容を見せようとはしない彼が、至極楽しそうにしながら差し出してきた画面に、柾輝は軽く驚きながらそれを受け取る。
一番上まで戻されている画面を見て、差出人が二人共通の友人であることを認識して、タイトルもいつもの様に入力されていることに、殆どそこを空欄で送る柾輝にとってはマメな奴だと感心することしきりだ。
「すげえよ、あいつが本気になったらしいぜ」
楽しそうに揺れる白い肩を視界の端に収めながら文面を追っていくにつれ、柾輝の頬も自然と緩んだ。
それを見逃さなかった恋人は、腹這いに寝返りを打って柾輝の肩に額を擦り付けてくる。
「今度会いに行ってみようぜ、そこまで惚気させる相手がどんな奴か見てみたい」
まるで餌をねだる猫の様なその仕草に微笑み返して、柔らかなその髪の毛に指を差し入れる。
「そうだな、そういやバスケの練習試合に借り出されたって言ってたから、行きゃ会えるかもな」
「決まり、行こう」
いつものことながら即決した彼に携帯を返すと、パタンとディスプレイを閉じて彼は柾輝の腹の上によじ登る。
「続き」
一瞬で気分を切り替えたらしい恋人に、そこまで器用ではない柾輝は苦笑を返す。
「今萎えたばっか」
盛り上がりかけてた気分を壊した張本人は、己の行動を棚に上げきって柾輝の台詞に盛大に眉を顰めた。
「生意気」
そして噛み付くようなキスをされ、それなら携帯の電源を切ってくれればいいのにと、柾輝は絶対に言えない台詞をキスを受けることで飲み込んだ。
シゲ水にはマサツバが欠かせないと信じております。
そんでシゲと水野がデキてないなら、逆にマサツバは完全にデキてるのが理想です。
11月19日