準利でオペラ座の怪人ダイジェスト




「・・・おい、何泣いてんだ?」
「・・・だれ?」
「誰かに苛められたのか」
「にいちゃんが、オレをおいていっちゃったんだ・・」
「兵士か」
「おにいちゃんも、へいたいさん?」
「オレか?オレは・・・そうだな、ここの主だな」
「ぬし?」
「この劇場の、本当の持主ってことだ」
「えらいひと?」
「そうだ。お前は、兄貴が兵隊に行ってる間、ここに預けられたのか?」
「うん・・ここなら、あぶないこともなくて、がんばっておうたのれんしゅうすれば、ごはんももらえるからって・・でも、オレ、にいちゃんといたかったよお・・・」
「泣くな、折角の顔が台無しだ」
「かお?」
「お前、綺麗な顔してるな」
「オレ、こんなのきらいだ・・おんなみたいだって、わらわれるもん・・」
「そうか?オレは気に入ったけどな。・・・じゃあお前、オレの物になれ」
「へぇ?」
「お前がオレの所に遊びに来るなら、兄貴の代わりにずっと側にいてやるぞ」
「ほんと!?」
「あぁ、毎日かかさずここに通え。オレは、常にお前の側にいてやる」
「やくそく?」
「あぁ、約束だ」
「オレは、りおう」
「そうか、オレは準太だ」

自分が何者と約束を交わしたのか、幼かったオレは全く気付いていなかった。
それがどんなに恐ろしく、甘美な契約だったかを・・。


ファントム→準太、クリスティーナ→利央で(笑。
流れは大分変わります。


1月12日