準利でオペラ座の怪人ダイジェスト




「利央、今日の舞台、お前が立て」
「はぁ?何、急に・・」
「三橋が、喉を痛めたんだ」
「・・・それって、昨夜ベッドで枯らしてしまったということですか、オーナー阿部?」
「余計なことは言わなくていい」
「あのさぁ、看板を傷物にしてるのってどうかと思うけどぉ」
「舞台に立ちたくないのか?」
「そりゃ、チャンスなら・・」
「じゃあ文句言うな」
「あれって横暴じゃねぇ?」
「まぁまぁ、いいじゃない。チャンスなんだし。オレは利央の歌、楽しみだよ」
「栄口って、ホントいい奴な」

「・・・利央?まさか、主役を張れる様になってるなんてな」
「兄ちゃん・・!?」
「ただいま、利央!」
「おかえり!どうして、突然・・。戦争は終わったのに全然帰ってこないから、まさかってずっと思ってたんだ・・!」
「すまん、病院に入っててな・・。あぁ、こんなところじゃゆっくり話もできない。どこかに食事に行こう、利央」
「うんっ!あ、でも待って・・・駄目だ、オレ、今日は行けない」
「何言ってるんだ?この再会を祝さず、どうするんだ!」
「そうだけど、でも、あの、先生が・・」
「先生?」
「歌の、先生なんだ。舞台が終わったら報告に行かないと・・」
「はは、そんなもの一度くらい大目に見てくれるって。ほら、早く!」
「あ、ちょっ・・・」

「利央・・・あぁ、兄貴が戻ってきたのか・・・。チッ、邪魔だな。利央、約束を、違えることは許さない」


ラウル→呂佳。しかし呂佳利にあらず。


1月12日