【銀新】エロ注意。S銀陳謝。



「はいよぉ、万事屋銀ちゃんだ」
間延びした声と共に机上の受話器を取った銀時の肩口で、新八はひくりと睫毛を震わせた。
「なんだ、お前ぇかよ。あぁ?今からだぁ?」
漏れ聞こえる電話の声から、相手は銀時の馴染みだと知れる。こちらの声も伝わってしまわないように、新八は既に唾液で濡れそぼった銀時の着流しの襟を咥えた。
「無理、俺今忙しいの」
言いながら銀時は人差し指と中指を折り曲げ、その衝撃に新八は腰を大きく跳ねさせた。その様子を片頬で笑いながら、銀時は平然と電話を続ける。
その憎たらしいほどの余裕に、新八は縋っている銀時の肩に爪を立ててみるが、着衣の上からでは全く効果はなくますます深くを抉られて喉奥で呻くはめになった。
「あぁ?うるせーよ、今この時も忙しいんだよ、片手はもう塞がりっぱなしってーか塞ぎっぱなし?」
ニタニタと笑いながらそれを確認するかのように、節の目立つ指を抜き差しされて、新八は目尻から涙を零して止めてくれと首を振る。
何故自分が昼日中から下半身を剥き出しにされて、銀時の膝を跨がされているのだろうと、新八はふやけた銀時の着流しから滲む己の唾液を嚥下しながら思う。出勤して銀時と神楽を起こして朝食を摂らせ、神楽が遊びに出かけたところまではいつもと同じだったのに。
食器を片付けてから居間に戻ったら、椅子にふんぞりかえっていた銀時に手招きされた。何の疑いも無く近付いていったら、いきなり片膝を跨ぐ格好で座らされ、あっという間に袴を解かれ下着の中へ手を突っ込まれた。
「そう、だから野暮な電話はしてくんなよ。その話はまた後日聞いてやっからよ、じゃーな」
やや一方的に会話を切り上げ、銀時は乱暴に受話器を放る。その際に新八の後孔に埋めた指を勢い良く引き抜くと、ぐじゅ、と濡れた音がして新八は居た堪れなくなる。
「や、も、銀さ・・・。何考えて・・・」
「あ?それはこっちの台詞ですけど、新八君?男の子が男に指突っ込まれて涎ダラダラ垂らしながら、こっちも垂れっぱなしってどうなの?」
「あぅんっ!」
抜いた指で、銀時は明確に欲を表している新八の中心をつつ・・となぞる。その尖った爪の硬さに、新八の口から甲高い声が上がった。
「ほんと、やらしいガキだよお前は」
「そ、な・・の、アンタの、せいっ・・」
女の柔らかさも知らなかった新八に、硬い男の筋肉に圧倒される快感を教え込んだのは他ならない銀時だ。それを棚上げして誹るような口調に、新八の鼻の奥がツンと痛む。普段の銀時は、こんな嘲る言い方も嬲るような触れ方もしないのに、何があったのか全く分からず新八は煽られる快感に恐怖を覚える。
「俺ぇ?そうかなぁ、俺のせいかぁ?元々お前に、素質あんだろ?男に弄くられて、ぐっちゃぐちゃだ」
ほら、と先端に爪を立てられて新八は、
「やぁ・・っ」
まるで幼い子どもの泣き声の様な悲鳴を上げる。
「ほんと、なに、銀さ・・っ。僕なんか、しましたか・・っ?」
溢れてくる涙は、快感によるものではなかった。こんな風に新八の身体をまさぐっているのに、どこまでも冷めた声の銀時が怖い。いつもなら、新八が熱を帯びた息を吐き出せば、同じくらい熱い舌でそれを絡め取ってくれるのに。
「銀さん・・・っ」
ぐずぐずと泣き出した新八に、銀時はつまらなそうに鼻を鳴らす。その余りの態度に本当に泣き喚きたくなった新八の耳に、憮然とした銀時の声が落ちた。
「なんでお前って、真撰組の奴らとあぁも楽しそうに話すわけ?」
「・・ぇ?っん」
猛った性器を手の平で撫でられ、新八はしゃくりあげる。打って変わってあやす手つきになった銀時は、そのままハクハクと収縮する後孔に再度指を滑り込ませた。
「俺があの瞳孔開きっぱ嫌いだって知ってんのに、なんで頭撫でられて嬉しそうにほっぺた赤くして笑うわけ?」
「や、え、土方、さん・・・?」
「その名前も胸糞悪い」
「はっ、ん!やぁ!」
指を増やされ深くを突かれ、新八は耐え切れず膝を崩す。すると自ら銀時の指の上へ腰を下ろす格好になって、新八は喉を反らせて嬌声を上げる。
「なぁ新ちゃん、お前俺が好きなんだよな?俺についてきたくて、ココに来たんだろ?その上こんな事までされちゃってさぁ、それも俺が好きだからだよな?それとも、きもちーなら誰でも良いのかな?あいつでもゴリラでも、何でもいいわけ?お前」
埋めたままの指を中で広げられて、新八は内股を震わせて激しく頭を振る。しかし銀時は、何言いてぇのかわかんねぇよ、と容赦なく新八の中を掻き回す。
「や、ちが・・っ、銀さ・・っ、ちが、うぅ」
首にすがり付いてくる新八の涙が、銀時の首筋を濡らす。顔を傾けてその目尻を舐め上げてやれば、塩の味がした。
「何がどう違うのか、言ってみ?そしたら、ちゃんと優しくしてやるよ」
銀時はそう囁いてサラサラと揺れる黒髪から覗く耳に舌を差し込んで、空いている手で着物の裾から手を差し込んだ。触れてもいないのに硬く尖っている乳頭を軽く弾いてやると、新八が小さく喘いだ。
「新八?このまま酷くされてぇの?」
熱い息を吐き出すばかりで明確な言葉を発さない新八に焦れた銀時が、強くその小さな突起を抓ると、涙を含んだ声で新八が痛みを訴えた後で呟いた。
「・・・銀さん、だからっ。銀さんが、好きな、です・・。だから、も、意地悪、しなっ、で・・」
スンスンと鼻を擦りつけながら吐き出されたその言葉に、銀時の頬がようやく満足気に緩んだ。
「じゃあ、もうむやみに他の奴に触られるな。特にあのゴキブリ軍団は、論外だ。分かった?新ちゃん?」
「は・・いっ」
新八の素直なその返答に、銀時はよくできましたとばかりに目尻に唇を落とす。そして、
「キスしてやるから、顔上げな」
傲慢に、そう言った。