10 依存症 もたらされた快感も飲み込んだ喘ぎも、何もかも絶頂で弾け飛んだ後、二人はぐったりとベッドに倒れ込んだ。親の目と耳を盗んで事を済ますのは疲れるけれど、だからといって後日人の居ない時を狙ってなんて余裕も無かった。 「準サン」 圧し掛かる体重を心地良く感じて、利央は甘えた声で囁く。 「んだよ」 答える準太の口調はぶっきらぼうだが、しかし利央の汗に濡れた髪を梳く指は優しい。 「好き」 準太にだけ聞こえるように、利央が囁く。そして準太は、答える代わりに利央の首筋に痕を付けた。 二日、連絡が取れないだけで落ち着かなかった。お互いが、お互いの存在を最早日常に組み込んでしまっていて、どうにもならない。 そんな関係は、準太が三年に上がり、卒業し、利央も己の進路を決めることになる時、どうなっているのだろうと思うと準太の胸はざわめいてくる。 けれど、今は触れられる距離にある。そのことをだけを考えていれば良いと、準太は利央の頭を抱きこんで目を閉じた。 「準サン、また明日から、一緒に野球できるね」 無邪気な利央の声を聞きながら、それが今の二人には全てだと、準太は笑った。 そして利央も、たった二日で揺らぐ自分に不安を覚えながら、準太と野球をしていける限りは大丈夫だと自分に言い聞かせ、瞳を閉じた。 end. ここまで書いておいてですが、準利で依存て難しかったです・・・。和準とかなら想像つくんですけど、準利とか利準だと、対等を目差してる気がするので・・・楽しかったですけど。 シゲ水なら、多分もっと楽に依存が書けるなぁとか(笑。 |