花言葉。
「想うはあなた一人」

言ってしまえれば良かった。








彼岸花 6










 どこをどう走ったかなど、分からなかった。ただ、速く、速く、遠くへ。誰も自分を知らない所、誰も己の存在など気に掛けないところ、銀時が、いない所へ。新八はただひたすら、背後を振り返らずに走る。
「はっ、はっ、はっ・・・・!」
 脇腹が痛い、何度かアスファルトで削ったつま先に鈍痛を感じる、こめかみの血管が破裂しそう、何より、頬を伝う生温い水が気持ち悪い。
 お前のどこに、泣く権利がある?
 自分で選んできた道だろう、自分でしてきたことだろう、それを今更、無かったことにしたいだなんて!お前は、あの男と同じだけ汚れた人間だ。
 頭の中で、声がする。冷静な自分の声、嘲り笑い、そして、耳慣れた声が混じる。
『てめぇの剣は、こんなことに使う為の剣じゃねぇだろう』
 守る為に剣を振るう銀時に、己はどう映っただろう。
『新八ィ!』
 呼ばないで。そんな、手放したくない大事な物を呼ぶように、呼ばないで。
 滲む視界に嗚咽交じりの息を吐きながら、新八は走る。

 ゆらりと、銀時の身体が揺れてガクジに向かい合う。
「てめぇか」
「あぁ?なぁにがよ?」
 ニタニタと黄色い歯をむき出しにして笑う男を総入れ歯にしてやりたい気持ちを何とか押しとどめて、銀時は腹の底から声を絞り出す。
「伸介の甲に、彫りモンしたのはてめぇかって聞いてんだ」
 するとガクジは、一瞬きょとんとした後で、爆笑し始めた。
「何がおかしいんだ、コラ」
「ひゃはははは!まさかそんな事聞かれるたあ、予想外だ!」
「そんな事だぁ?てめぇ、何も知らねぇガキに、一生消えねぇもん彫っておいて、そんな事か」
「奇麗事を言うなよ」
 ガクジがぴたりと笑い声を納め、ねとりと銀時を睨め上げた。
 脇に下ろした銀時の指先が、ぴくりと揺れる。それを視界に納めたガクジは、鬼の首を取ったと言わんばかりに、唇を三日月の形に吊り上げる。
「お前さんが気になってるのは、新八のことだろ?俺と新八がどんなお知り合いかってとこだろ?伸介なんてガキ、本当はどうでもいいくせに」
 聞くのが怖いのか?と揶揄してくる男に、銀時は目の奥が真赤に染まるのを感じたが、それでも奥歯を噛み締めて衝動を抑える。久々だった、これまでも戦っている最中に無意識に昔の己が戻ってくる事を感じる時はあったが、こんな風に、敢えて引きずりだそうとする自分とそうしまいとする自分が葛藤しているのは。
「でも、お前だって気付いてたんじゃねぇの?あのガキ、あんな澄ましたツラぁしてる割には、身体が淫乱すぎるってなぁ」
「・・黙りやがれ」
 脳裏に、銀時と抱き合う度に必死で下肢を晒すまいとしていた新八が、浮かんだ。
「あれぇ?まさか、アンタあいつとヤッてねぇの!?」
 押し殺した銀時の声に何を下衆な想像を働かせたのか、ガクジがわざとらしく驚いてみせる。
 銀時の手の平に、常日頃から短く切るように新八に煩く言われている爪が、ギリリと食い込んだ。
「嘘だろ、おい!?だってアイツの反応、見たろ?アンタに知られたと思って、ブッ壊れちまってよ!なのにアンタ、抱いてやってねぇのかよ!ハッハー!こりゃお笑いだ!折角男の味覚えったのに、男が抱いてくれねぇんじゃ、そりゃアイツも壊れもす・・・」
 銀時は、蠢き出した己の衝動を抑える努力を放棄した。
 が、ごぉ・・ん・・・・!!!
「がふ・・・・・っ!!!」
 新八が手に残して行った木刀で、思い切りガクジの横面を殴り飛ばす。木と頬骨のぶつかる鈍い音がして、白茶けたコンクリートに赤い飛沫と白い骨片の様に見える歯が散らばった。
「が・・あぁ・・?あ・・いって・・え・・・!」
 口を覆った指の隙間から、ぽたりぽたりと赤い雫が零れる。コンクリートに蹲って呻くガクジを静かに見下ろして、銀時は首を左右に倒して半眼で男を見下ろす。
「うるせーっつーんだよ、ギャーギャーギャーギャー。歯ァ全部折って歯茎抉って、舌まで引っこ抜きゃあ、ちったあ静かになんのかあ?おい」
 ジャリ、とブーツの底でガクジの折れた歯を踏みにじる。その靴で、そのまま腹這いに倒れたガクジの鼻先を蹴り上げる。
「げはっ!!」
 仰向けに転がったガクジの腹に遠慮なくブーツの踵を乗せ、潰れた蛙にも似た声を上げるのを煩げに眉をしかめて、銀時はそのまま片足に体重をかけていく。
「ぐ、あ、あ、あぁ・・・おえ・・っええぇえ!!」
 ボキン、と鈍い音がしてガクジが大声で喚き始める。こんな事で肋骨が折れるなんて随分不摂生をしているんだなと他人事のように考えながら、銀時はガクジの上から身体を離す。
「でーじょーぶだって、肋骨って折れてんの気付かずに生活できちゃうくらいの場所だから。大袈裟にすんなって、俺がひでぇことしてるみたいじゃん」
「て、め・・・っ、これの、どこ、が・・っ」
「大した事じゃねぇだろ?てめーがガキ相手にしてきた事に比べたらな」
「ひゃ、は・・・」
 ガクジは、完全に己が劣勢である事を知っていて尚、下卑た笑みを引っ込める事は無かった。痩せた指でコンクリートを引っ掻きながら、空気が漏れる様な笑い声を上げた。
「そのガキが、何してきたか知ってんのか?見てみろよ、あいつの内股にも、今回刻んでやったのと同じ、印が付いてんぜ。とっくにあのガキは、コッチ側なんだ・・・」
「あぁ悪い、うるさくて聞こえねーわ」
 銀時はそう言うと、高く木刀を振上げ、無造作にガクジの股間目掛けて振り下ろした。
「ギャ・・・ッア、ァァァァァアアア・・・!」
「あぁ、うるせ」
 片目をしかめてみせて、銀時は視界に入った転がった携帯電話を拾い上げた。

 家に戻るわけにはいかないという判断が効く程度には、理性は残っていた。まだ妙が出勤する前の時間だ、そんな時間にきっと酷い顔をしているだろう自分が戻ったら、余計な心配をかけるだろう。
「・・あ」
 このまま走り続けて、どこか知らない所へ行けてしまえば良いのにと思いながら、さすがに足が上がらなくなってふと立ち止まれば、そこは万事屋に程近いかぶき町の界隈だった。
「はは・・・・・」
 無意識は正直だ、結局自分はここに戻りたいのだ。
 けれど、もう無理だと分かっている。銀時に、知られてしまった。
 あの時にどこまで彼が聞いたかは分からないが、あの場にガクジと二人で残してきてしまったのだから、、恐らく何もかも聞いているだろう。その上で、それでも彼はもしかしたら自分を万事屋に置いてくれるかもしれない、義理堅く優しい人間だから。
 でも、きっともう触れてはもらえない。
 そもそもこんな自分が、誰かを好きになるなんて事、あってはいけなかったのだ。過去に売春なんてしていた自分が、銀時のように真っ直ぐな男に愛されようなどと、贅沢だった。
 それでも、夢は見られた。綺麗な夢を。何も知らない無垢な自分が、銀時に愛されているという夢。
「銀さん、神楽ちゃん、定春・・・っ」
 今朝までは、いつもの朝だったのに。多少気まずさを残してはいても、自分の居場所は万事屋だと思っていられたのに。
 夢は、弾けてしまった。
 万事屋には、もう戻れない。沢山の物を置いてきてしまったけれど、もうあそこに足を踏み入れる事はできない。あそこは、綺麗な自分を置いたままにしておきたい。
「・・・っ、・・っ」
 往来で大粒の涙を流しながら唇を噛み締める少年を遠巻き眺め、皆心配そうに痛ましそうに眉をしかめて去っていく。立ち止まる人間は、誰もいない。
 それでいい。
 新八は乱暴に袖で目尻を拭い、かぶき町を離れる方向へ足を向けた。空には雲が厚くかかり始め、新八の頬を伝うのと同じく温い雨が零れそうになっていた。


 銀時は肩を上下させて、膝に手を付く。
 新八が、いない。
 ガクジの携帯から警察へ連絡し、かなり強引に真撰組へ繋いで貰った。どう新八の関わりを省いて説明しようかと考えていると、瞳孔の開いた副長が電話の向こうで既に状況を把握していた。
 どうやら、神楽が偶然沖田に出会って共に病院へ行ったらしい。恩赦で出てきた男の犯罪ということで、幕府への影響も考え、ガクジは真撰組が捕獲する事になった。捕獲と言うよりは保護に近い形になっているかもしれないが、それは正当防衛を主張する。
 神楽の事が心配ではあったが、沖田が仕事を放り出して病院でサボっていると言うので、とりあえず任せる事にした。病院に患者が増えていないことを願って。
 恐らく、定春も自分で神楽の元へ戻るだろう。あれは、賢い犬だから。
 とにかく自分は、自分の帰る場所も分からなくなっているかもしれない少年を、見つけなければならない。
 最初は、自宅へ行ってみた。出勤前の妙がいて、新八に何かあったのかと気色ばむので誤魔化すのに苦労した。仕事も終わって無いのにトンズラこいたんだと嘘では無い説明をすると、あの子がそんな無責任な事をするなんて、貴方がよっぽどこき使って追い詰めたんでしょう、と満面の笑みで顎を砕かれそうになった。
 そのまま砕かれても仕方が無いのかもしれないと思った程度には、銀時も後悔している。
 あんな暴走をしたところで、新八は救われない。ガクジの一物が使い物にならなくなったところで、過去は変わらない。
 そんなことより、ただもっと早く捕まえてしまえばよかった。抱き込んで、丸め込んで、吹き込んでやれば良かったのだ。
 大丈夫だ、と。
「くそ・・・っ」
 今にも泣き出しそうだった曇天から、一粒の雨が銀時の頬に落ちた。
 新八の行きそうな所は、どこだろう。自宅、オタク仲間の所、数多くは無い心当たりを思い浮かべてみるが、やはり一番しっくりくるのは万事屋だった。可能性は低いかもしれないが、無くは無いだろう。
 徐々に感覚を狭めて落ち始める雨の中を、銀時は振り払うように大きく足をスライドさせてコンクリートを蹴った。

 銀時が万事屋に向かい本格的に雨が降り出した頃、新八は自宅の玄関をそっと開いていた。
 この時間ならば、妙も仕事に行っている。どこに行くにしろ、これからどうするにしろ、濡れた格好のままでふらつくわけにはいかない。
「・・・とりあえず、風呂、かな」
 泣きながら走り回り歩き回り、新八の頭も大分冷えていた。とりあえず落ち着こうと、深呼吸をしてこすりすぎた目元の痛みに苦笑した。
 風呂桶にお湯を張りながら、じんわりと濡れた着物を脱ぎ捨てる。そして、はたと木刀を手放していることに気付いた。
「あ・・・」
 銀時の元だと思い出した時胸が痛んだが、どうしようもない。あんな何の変哲も無い木刀、きっとすぐに記憶から薄れて捨ててくれる。そう思うことにして、新八はまだ浅い湯に浸けた足先がビリビリと痺れるのを心地良く感じる。
「はあ・・」
 冷えた肩にや背中に手でお湯をすくってかけ、深く息を吐いた。
 その暖かさに、不意に銀時の大きな手と神楽の柔らかい手を思い出す。
 あんな暖かい場所は、始めから無かった。そう思うことにしよう。
 もうこの国では侍は死に絶え、銀色の侍などいない。それでいい、それで姉と二人慎ましくとも平和に静かに暮らせるのなら、それで良いではないか。
 どだい、最初から誰かに愛してもらえる存在ではない。ただ一人、姉だけが己を大事に思ってくれ、自分もその姉の為ならば何でもする。それだけの事だったじゃないか、他に誰かが入り込むような隙間は無かった。
 だから、姉と自分の為に身体を売ったことなど大した事では無い。
 そう考えようとすればするほど、温まる体とは対照的に、どこか中身が酷く冷えていく気がする。
 万事屋を捨てると言う事は、自分の一部を捨てるという事なのか。それほどまでに、自分の中であの場所は大きな物になってしまった。
「銀さん・・」
 ありがとうと言えなかった事が、多少の心残りだ。こんな自分を雇ってくれた、大事にしてくれた、家族だ仲間だと扱ってくれた。
 ありがとう、充分です。もういいのだ、自分は沢山の物を貰ったから、だから、幸せなままで去らせて下さい。自分の過去を知られて、銀時や神楽に軽蔑の目で見られる事だけは耐えられない。
 後悔はしていないと言いながらとんだ様だなと自嘲した新八は、洗い場に上がり手桶から湯をすくって頭からかぶる。フルフルと頭を振って雫を飛ばした時、ぼやけた視界に赤いものが映り込んだ。ぎくりと肩を強張らせて、鏡を振り返る。そこには、全裸の新八が映っている。あの頃よりは筋肉の付いた肩、背中、けれど、目を落せばそこには変わらず咲き続ける花。
 赤い花、ガクジの彫った、彼岸花。
 彼岸花の根には毒があり、それを昔土手に植えたのは、作物を蛇やネズミから守るためだった、だから自分もこうして己の物に変な虫が付かないように、これを彫るのだ。
 真っ白な白熱灯で照らされながら、新八はその話を聞いた。痛みと熱にうかされながら、甲高いあの男の笑い声を聞いていた。
「あ・・・・ぁ、あ・・・!」
 これが、無かったら。自分の過去は消せなくても、せめてこれが無ければ良かった。そうしたら。
 ドドドド・・と鈍い音を立てて、湯船にお湯が落ち続ける。腹の底から響いてくる重い音、何かが迫ってくる音。背筋が震えた。
 そして新八は、拳を振上げた。

 
 万事屋にも新八の影は無く、銀時は本格的に降り始めた雨にも構わず原付の鍵をひったくるようにして取り上げ、再度外へ飛び出した。かぶき町はようやく目覚め始めた時間で、あちこちで風俗店や飲み屋の看板に電気が灯る。
 もう一度、自宅へ行ってみよう。妙も仕事に出る時間だ、それを狙って新八が戻っているかもしれない。
 焦る気持ちの中で、原付の鍵を二度取り落とした。
「・・くそっ!」
 舌打ちしながら何とかエンジンをかけ、一気に加速する。いきなり飛び出してきた原付に、早くから町へ繰り出してきたサラリーマン風の男が何か怒鳴っていたが、そんな声は聞こえない。
 耳にこだまするのは、新八の悲鳴。
 あんな声を、上げさせたかたったわけじゃない。
 タイヤが水しぶきを上げて、何度かスリップしそうになるが、奇跡的に銀時は無事に新八の自宅へ着いた。
 重厚な門を押して敷地内に入り玄関に手をかけるが、当然鍵がかかっている。と思ったのだが、予想に反して引き戸は軽くカラカラと開いた。
「・・新八?」
 そっと名を呼び、中を覗き込む。タタキに見慣れた草履が脱ぎ捨ててあり、銀時は勢い良く玄関に飛び込んだ。
「新八!」
 あの新八が、鍵も掛けずに家にいるという事に嫌な汗が背筋を流れる。どんな時にも施錠を忘れるような子供ではなかった。盗られる物など何も無いと思われる万事屋にさえ、毎回律義に鍵をかけ、それを忘れる銀時を叱ってきた。
「おい新八!いんのか!」
 廊下がところどころ、濡れいてる。銀時や神楽が風呂上りにろくに髪を拭かずに床を濡らすと、新八は小言を言いながらもタオルを持ってきて、頭にかけてくれた。
 何だ、これは。この気味の悪さは何だ。どうして、新八がいる場所が、こんなに暗い。いつだって、銀時と神楽の心を上手く掬い上げて、温めてくれた新八のいる場所が、こんなにも寒々しいのは、何だ。まだ残暑、こんな冷えた空気はあり得ない。
「新八!」
 わざと乱暴な足音を立てて、姉弟が二人で住むには広い家屋を歩き回る。人の気配が感じられず、もしかして道場の方かと足を向けかけた時、耳に何か音が聞こえた。
「風呂?」
 風呂桶に湯をためる時の、地響きにも似た音がする。その音を追って風呂場へ向った銀時は、擦りガラスの向こうに、人影を認めて一瞬安堵を抱く。
 しかし、その人影が何かを振上げては下ろし、振上げては下ろすその動作を繰り返すことに不吉さを覚え、銀時は扉を押し開けた。
「新八!・・っ!?何してんだ、お前!」
「・・・ぎ、さ・・?」
 呆けた表情で、新八は割れた鏡の破片を己の太股へ振り下ろしていた。湯船から溢れた湯が、薄紅色に染まっては排水口へ流れていく。
「やめろ、馬鹿!」
 銀時を虚ろな目で見上げて尚機械的に振上げる新八の手を、掴み止める。ばしゃりと生温い湯がくるぶしまでを濡らしたが、そんな事を気にしている場合ではなかった。
「何してんだ!」
 左内股が酷く抉られて、性器まで真赤に染まっている。掴んだまだ細い腕には、幾つもの小さな傷。
 焦点の定まらない目で銀時を見上げていた新八のそれに、微かに光が戻る。そして、唇が戦慄いた。
「あ・・・・、ああぁぁっぁぁあ!!!」
 今日二度目に聞いたその切り裂かれるような悲鳴に、銀時は今度こそその手を離さなかった。
「新八・・!」
 引き寄せて、立ち込めた湯気の最中にいて尚冷たく固まった肩を、強く抱き締めた。
「あーっ、あーっ!や、ああぁぁああ・・・!!」
 叫び続ける新八の震える身体を、手加減無しに抱きとめて背中を擦る。
「新八、新八、もういい、もういいって。んな、死にそうに泣くな。なぁ・・!」
「や、ああぁああ、ああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
 膝を折って、ぐしょ濡れになりながら銀時は新八の悲鳴を聞いていた。どうして。どうしてこんなにも彼が追い詰められていたと、気付けなかった。あんなに触れてきたこの身体が、今は銀時を拒絶するように固い。
「新八、新八、しんぱち・・!」
 冷たい身体に熱を取り戻そうと必死で擦っている間に、背中越しに、新八が握っていた鏡の破片を取り落とした音を聞いた。
 そして、腕の中の新八は糸が切れたように気を失った。
 ぐにゃりと力を失った身体を抱えながら湯が流れ続けていた蛇口を閉じると、新八の悲鳴の残響音だけがその場に残った。



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 えー・・・・すいません・・・・・。次回で、さい、ご・・?(いつになるんだ)