(ヒ)魔王銀時と、流され勇者新八「3」


「というわけで新ちゃん、見事魔王の御首(みしるし)を掲げ、天候を操る鏡を手に入れて帰ってこなければ、今ここで貴方の首が畑に埋まるわよ」
「みしるしって、この世界のイメージがわかんないよもう・・・」
「行くの?行かないの?首が埋まるということはね新ちゃん、一人犬神家ごっこよ?しかも畑で。誰も元ネタなんか分かってくれなくてツッこんでくれないわよ?そんな寂しい遊びがしたいの、新ちゃんたら・・」
「したかねぇええ!あぁもう、これ行かないとどうしようも無いんでしょ!?行きますよ、行って来ますよ!!」
「さすが新ちゃん!町中の期待を背負って生まれた勇者の三軒隣の町長の・・」
「長いからそれ良いです!じゃあ、行って来ますよ!」
「行ってらっしゃい、この世界の天候をこの手に握り、父上の遺した畑を取り戻すことが可能になるまで、帰ってきちゃ駄目よー」
「アンタ、最終的にはそれが目的かっ!!!」

「はぁー・・・て言っても、僕別に魔法が使えるわけでも武術ができるわけでも無いからなぁ・・・城に辿り着けるのかなぁ・・・」
「よう眼鏡の兄ちゃん、世界の闇を背負ったような時化た面して、どうしたんでぃ」
「あ、えーと、魔王の城まで行きたいんですけど、どう行ったらいいんですかね?」
「魔王の城?なんでぃ、それなら俺も行くところでさァ。何ならこの四駆に、乗ってくかぃ?」
「・・・四駆かよ」
「乗らねぇのかぃ?」
「いえっ、ありがたく乗らせていただきます!!」
「おう」
「それにしても、あなたはどうして魔王の城なんかに?」
「あぁ、俺の村の分の供物を届けに行くんでさぁ。俺の仕事なんでね」
「仕事って、そんな危険なことを?」
「危険?あーまー・・・あんたもあそこに行けば分かりますぜ、魔王なんて呼ばれてる奴の正体が」


・・・・続く(沖田かよ)



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