(ヒ)魔王銀時と、流され勇者新八「6」


「本当に鏡なんだ・・・」
「そ、で、この脇のチャンネルをグリグリッと回してくと世界が順に見えてさー・・・て、うわーマジで大干ばつね。そしてこの城の辺りは大雪かぁー・・・」
「アンタのせいだろ!」
「悪い悪い、どーも時間の感覚無くてなー。今夏だったんだなぁ、雪はねぇわな。この城は年中暗くて寒いし、どーも季節感が沸かねぇからなぁ」
「自分の家なんだから、明るくして暖めれば良いじゃないですか」
「んー?別に、不便感じねぇもん。と、世界地図のチャンネルに合わせてー、北は雪を減らして南には雨ーっと。後は一ヶ月オートリモコン・・」
「って、オートかよ!」
「当たり前でしょー、一ヶ月毎日ここで俺に天気見張れってー?面倒臭い。本当なら一生オートにしたいんだけどねぇ、一ヶ月が最長なんだよね」
「一ヶ月一度くらい、歩けよ」
「まぁね、その内根っこ生えるって沖田君にも言われたけど」
「「別にそれでも困らない?」
「お?」
「言いそうだなって、思っただけです」
「ふぅん・・・で、お前はどうすんの?」
「え?」
「ちゃんと雨は降らせたし、設定もしたから一ヶ月は天気も安定すんよ?帰んの?」
「あぁ、はい・・・沖田さんにまた乗せてもらって山降ります。御首が無いことは、姉上に土下座しよう・・」
「何だ、腰のソレ、使わないんだ?」
「だってコレ錆だらけだし、アンタが雨降らせてくれたんならそれで良いですし」
「あっそ」
「というわけで沖田さん、すいません帰りも便乗させてくださーい・・・・て、いねええぇええ!?」
「おう、銀ちゃん仕事してきたカ。ドエスもう帰ったネ。また一月後に来るヨ、それまでお前ここにいるアルか?」
「えっ」
「人の足でこの山降りんのァ、大変だぞー?俺は送るなんて面倒なことはごめんだしな、一月ここにいれば?」
「・・・・・良いんですか?」
「しょーがないんじゃない?で、キミのお名前はなんですか?」


・・・・・続く(どの辺が魔王)



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