(ヒ)魔王銀時と、流され勇者新八「7」


「銀さん!起きてください!!」
「あぁ!?って、どわああぁあああ!眩しい!太陽光に刺殺されるううぅうう!!」
「されるか!少しはまともに太陽浴びて、体内時計リセットしてくださいよ!またニヶ月も鏡放置だなんて、冗談じゃないです!」
「っせぇなー。新八、お前朝から元気だねー・・・て、何この匂い」
「あんたは朝から気怠げですね、朝ご飯ですよ。アンタ神楽ちゃんに生のまんま野菜とか肉とか食べさせてたんですって?保護者がやることじゃないですよ、虐待ですよ」
「いや、別に俺保護者じゃねぇよ」
「作ったのはあんたでしょう?責任て物を知りなさい、この堕落王」
「責任ねぇ・・・つか、わざわざこの部屋で食うことねえだろうがよ」
「だってこの城、広すぎんですもん。折角同じ屋根の下にいるのに、別々の部屋にいるのも寂しいじゃないですか」
「寂しいーー?」
「銀ちゃんこのご飯美味しいヨ、味がちゃんと付いてるネ!この眼鏡、眼鏡の癖に中々ネ!」
「眼鏡の癖にって何!?」
「あーそー、それは良かったですねー・・・。俺には飯は必要ない、よって寝るぞ」
「駄目ですよ!!折角晴れてるんだから、布団干します!はい、起きて起きて!」
「どうわぁぁあああ!転がすなああぁあ!ってぇー・・・布団干しぃ?お前、この四人は寝れる布団をどうやって干すのよ・・」
「だから、手伝ってくださいよ」
「・・・・・ハァー・・・」

「うーわー・・太陽なんて浴びたのいつぶり?俺」
「どんだけ引きこもってんだ。あんたが寝てる間に、入り口からアンタの部屋までの辺りまで、カーテン開けましたからね。台所だって放置だったし、ジャンプも山積み。魔王なら何か魔法とかでパパッとやっちゃえば良いのに」
「だから俺ァ」
「魔王じゃないって?でも、そう呼ばれるのは何か理由があるんじゃないですか?物凄い魔力の持主だとか、昔どっか族の頭だったとか?」
「いきなり格が下がるな、オイ。別に、大した力なんて持っちゃいねぇよ。色々面倒でたるいだけだ、まあ、視力とか聴力とか、五感は良い方だけどなー・・と」
「え、何いきなり石取り上げてンの」
「いや、向こうの方にムカつくカップルがいる」
「は?・・て、ええぇええええええ!!!?石が物凄い勢いで飛んで行った!!」
「はー・・・うざい。昼間っからいちゃこいてんじゃねぇっての、あー彼氏の方に当たったな。頭ぱっくり、暫く病院生活だろ」
「何してんだアンタアアアァァァアア!!!!」
「え、だってうざくない?折角人が数ヶ月ぶり?つかいつぶりか分かんない爽やかな朝を満喫してるって時に、噴水に腰掛けて彼女膝に乗せてイヤンアッハン昼間っから十六禁みたいなことしてくれちゃってさぁ・・」
「何だその理由はあぁああ!あんたソレだよ!そんなことしてるから、魔王だなんて呼ばれてんだよ!」
「えぇー?別に、大した理由なんて無いんだけどなぁ」
「尚悪いわアアァア!理由があっても悪いことは悪いですけどね、理由も無いのが一番たち悪いですよ!自分の行動くらい、自分で制御してください!責任もて!!」
「めんど・・」
「そんなに面倒なら、呼吸もするな!」
「あらら、行っちゃった・・・。何であんなに、怒ってんのかねぇー・・・」


・・・・・続く(魔王の片鱗・・?)



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