(ヒ)魔王銀時と、流され新八「9」


「明日アル」
「何が」
「一ヶ月」
「んだよ、引き止めろとでも言うつもりかぁ?」
「誰も眼鏡の話なんてしてないネ、ドSが来る日アル。そんなに引き止めたいなら、引き止めればいいアル」
「てめ・・・っ」
「銀ちゃん、新八が来てから変わったアル。一日一回は動くし、ご飯も新八の作った物なら食べるネ。私のことも、ちゃんと見る様になったアル」
「変わってねぇよ」
「銀ちゃん、私作って後悔したネ。こんな広い所で一人、誰か側にいる相手欲しくなるの分かるアル。でも私、銀ちゃんの理想通りにはできなかった、それも銀ちゃんの食い意地が張ってたせいアルけど。でも、そのせいで私この城から出られない、だから銀ちゃんもココから動けない。銀ちゃんが新八と行けないの、私のせいアル」
「違う、全然違う。何言ってんだ、神楽」
「だからって、新八をここに引き止めるのも、銀ちゃん躊躇ってる。新八には家族がいる、待ってる相手がいるアル。それ私も分かってる。銀ちゃんと私と、アイツは違う。でも、でも銀ちゃん」
「神楽っ!」
「・・・っ」
「わかってんなら、言うんじゃねぇよ・・。お前ェをそんな風に作っちまったのは、俺だ。それについて恨み言を言うなら、言え。だけど、アイツの話はするな。神楽、泣くな」
「泣いてないアル・・・銀ちゃんこそ、泣きそうアル・・・。私のせいじゃないんなら、何でアルか・・」
「何で、なんて聞くんじゃねぇよ・・・。そんなもん、一々考えてたら俺は生きていけねぇよ・・」
「銀ちゃん、私、新八のご飯好きアル・・っ」
「本人に言ってやんな、喜ぶぜきっと」

「何でィ、旦那はいねぇのかい」
「二酸化炭素不足で太陽光浴びて治療中アル。さっさと飯置いて、新八連れてってやるヨロシ」
「お前もお前で、元気ねぇなぁ・・・何かあったんですかい?一ヶ月の間で」
「え、別に何も・・・えーと、じゃあ、神楽ちゃん、お世話になりました・・・て、銀さんにも伝えてくれる?」
「うん、分かったアル。お前も、元気でな」
「お前ら辛気臭ェなぁ。何も今生の別れでもねぇだろうよ、また俺と一緒に来りゃ良いじゃネェか」
「いえ、沖田さん。それはできないです」
「何で?」
「僕、銀さん怒らせちゃったみたいだから・・」
「違・・っ、・・・!!・・・新八、私お前のご飯結構気に入ってたネ」
「え・・・そう?ありがと・・」
「うん。元気でな」
「神楽ちゃんもね」


・・・・最初が長すぎましたか(敗因)



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