7 息も出来ない

 返信が来るかどうか、利央は布団に潜り込みながらも寝付けないでいた。明日も朝練はあるし、早く寝てしまわなければならないのに、携帯が気になって仕方無い。
(無理だよなぁ・・・ていうか、明日には帰って来るんだから、それでいいじゃんかなぁ)
 自分に言い聞かせるようにして頭まで毛布を被った利央は、無理矢理にぎゅっと目を閉じる。明日には会える、明日にはと繰り返しながら目を閉じていた利央の部屋に、その時派手な着メロが響き渡った。
「準サン!?」
 画面で確認する間もなく通話ボタンを押した利央は、思わずそう叫んでいた。
『・・・・・・・るせぇ』
 もし違ったら赤っ恥だと唾を飲み込んだ利央の耳に、電話を通して少し低くなった準太の声が聞こえてきた。
「準サン・・どしたの?電話なんかして、大丈夫なの?」
 まさか返信ではなく電話がくるとは思っておらず、利央の動悸は激しくなる。耳元に、準太の存在が在ると思うだけで頬が紅潮した。
『先生皆、宴会してっから大丈夫じゃねぇの。それよりてめぇ、何だあのメール』
 改めて言われると、何だかとてつもなく恥かしいメールをした気がしてきて、利央は言葉に詰まった。
『たかが二泊じゃねぇか』
 ぶっきらぼうに吐き捨てられて、利央は鼻の奥がツンと痛むのを感じる。準太にとってはたかが二泊でも、自分にとっては本当に寂しいのだと余計感じさせられる。
「だって準サン、準サンがいないと息もできない。寂しい」
 こんな女々しいことを言えば更に呆れられると覚悟しながら吐き出した言葉は、情けないことに震えていた。
 しかし僅かの間が空いた後に準太から返って来た言葉は、意外なものだった。
『利央、オレは二日間野球してねぇ』

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ものっそい、続き!てとこで切ってすいません・・・。